第194回 労働政策審議会 職業分科会 労働力需給制度部会 傍聴記 (文責伊藤)
本日、厚生労働省前では、多くの人たちが派遣法改悪を許さないために集まってました。今日は、連合も、動員をかけて大勢集まり、審議会の労働側委員の新谷信幸氏の挨拶もあり激励行動がされていました。その他に全労連、全労協、中小ネットなど、ほぼ東京都内の労働団体が久々に集まった感じでした。
ようやく傍聴に当選し傍聴してきました。やはり資料を見ているだけでは、わからない論点が見えてきました。傍聴は改めて重要だと思いました。議事録がアップされないのは、使用者側の圧力がかかっているものと思います。下記、傍聴記録の概要
2013年9月27日 10時から審議会開始
冒頭 公益委員の柴田裕子(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の革新創造センター部長から前回の審議会の失言に対する謝罪コメント 前回の審議会の議論を机上の空論と言ったことをお詫びしたい。誤解を与えかねないものだったと。
鎌田公益委員座長 公開で議論していくものは、社会的責任を持って議論をしているとコメントあり。
労働側委員が一人交代して、全国建設労働組合総連合組織部長が清水謙一氏が入りました。
事務局 資料の説明。資料は、登録派遣、製造業派遣の実態、雇用契約期間・派遣契約期間別の派遣労働の実態、派遣労働者の労働災害の実態。被災地3件の雇用状況の資料、特定派遣業者が常用派遣以外を使用して処分された事業所の事例などが出されていました。その他に、使用者側オブザーバーの青木秀登氏(ランスタッド株式会社執行役員)が、資料4として派遣社員の働き方に関するアンケート結果提出(派遣が派遣を希望しているという調査結果 以前の改正の時に、佐藤博樹氏が中心に行ったものでサンプルも少ないもの)
~ハケンは、派遣を希望していると!! 事務職に限って???~
使用者オブザーバー青木秀登 資料4について、厚生労働省の調査結果は、正社員になれなくて不本意で派遣になった人が多くなっているが間違いである。2011年1月の調査では、派遣労働者の45.3%が、派遣を希望すると回答していて、正社員を希望している人は、26.7%で、こちらが正確であると思う。
新谷信幸 労働側. 資料4は、事務職に限っていないか、派遣労働者全体は違うと思う。
青木使用者側 たしかに事務職ですが、製造も同じものがあり同じ結果になっています。
新谷労働側 今日から本格的に論点になる登録型派遣・製造業派遣は原則禁止について、国会審議で修正されたが付帯決議が可決され、労働政策審議会で審議されることになった。登録型派遣については、有期で不安定な状況は変わっていない。厚生労働省の審議会は、こうした問題を抱えている派遣労働者の常用雇用以外の原則禁止が適当であるというのは、政労使の三者構成の審議の前提であった。登録型派遣は原則禁止にすべき、専門26業務の真に高度な専門的な業務かどうか厳格にすべき。
使用者側オブザーバー 大原 博 1986年派遣法施行以降、基本的に3つの視点があった。
1. 社会経済の変化、労働力減少、少子高齢化社会の中で、経済の持続 雇用対策、経済、税、エネルギー資源に乏しい中で、契約、パート、アルバイト、在宅と多様な働き方が出てきており、量と質の向上、人的資源を豊かにする役割
2. 働く人々の視点、働く人たちの価値観が変化、仕事と生活の時間の配分、その中での雇用形態の選択、ワークライフバランスをと考えている。正社員になりたいけど、育児、介護があり限定的にしか働けないという人たちに、雇用機会を増やす視点がある
3. 企業サイトの視点 サービスの経済化、情報サービス産業に、常時3000万人超えている。産業構造の変化に伴って、雇用も変革必要、登録型派遣の役割は、橋渡し、マッチング機能、他の入職より有効性がある 労働者と企業のニーズ、エージェントとして機能している。就職困難者、当面 職に就きたい人、交通不便な方、介護育児が必要な方、紹介予定派遣など、職探しの代行機能が多様な雇用機能に資する。
新谷労働側 良質な雇用に異論はない。派遣は良質な雇用なのか 不安定、格差がある、これを増やすことをしていいのか。立ち位置が違う、認識に差がある。
大原使用者 登録型/増やすことは理念ではない。正社員になりたい人を支援する。
~登録派遣について、雇用契約と派遣期間についての違いについて~
石黒労働側 登録型について、雇用契約期間と派遣期間を見ると、派遣期間より雇用契約期間が短い労働契約は、労働契約法第17条の、必要以上に契約期間を短くしないようにと書かれている法の趣旨に反する。もともと登録型は、細切れ雇用という認識だ。事務局に聞きたい、雇用契約の短い実態について調査があるか?
事務局 今、収集中で、まとめてから資料を出したいと思います。
大畑使用者側 登録型派遣、派遣契約期間と雇用契約期間は、基本的に一致している。基本は、そのように運用している
新谷労働側 通常、法人同士で、労働者派遣契約を締結して以降に、労働者との雇用契約をするようになっており、労働契約と派遣期間が一致するのが原則だ。なぜ、ずれるのか 大原則とギャップがある。(資料3-3P)
大原使用者 個々の契約精査必要、例えば1年の派遣契約の場合、元が人材配置をする場合、前半がA社員、後半がB社員とすることはある。
青木使用者 調査をしたとき、雇用契約と派遣契約を本当に分かっているのかと思う。
(中略)
~日々雇用でも常用という定義は、おかしい~
柴田公益委員 質問 常用でも期間が短い人がいるという事か、雇用契約が短い常用が安定しているとは見えない。すべて常用という労働側意見だが、常用にしても安定しないのではないか
事務局 常用の定義は、契約期間が短くても一定期間超えて常用雇用されている人という事
新谷労働側 32Pの定義自体、派遣だけの定義、日々雇用でも1年以上は常用という名は、体をなしていない定義だ。
鎌田公益 座長 論点まとめると、労働側は、専門26業務以外登録型原則禁止 良質と言えるかどうか疑問があるという意見。使用者側は、登録型維持すべきということで、3つの視点を述べられ橋渡しとエージェント機能があるという事だった。
青木使用者 規制強化しないでいい研究会報告をスタートとして、たたき台にして欲しい
~製造業の派遣禁止について、労災の実態について~
宮本労働側 製造業 過去に大規模な派遣切りが共通してみられた。もとは、無期雇用で
先が契約を中途解約してももとは雇用安定図れるようにしないと。派遣先が切れば元が雇止めする。有期契約で、安全、衛生も労災もなく不安定定雇用の一般派遣、製造業派遣禁止すべき。
青木使用者 数年前は、派遣だけが切られわけでなく、一時的なものだ。製造業派遣の必要性は需給システムの中では不可欠のものだ。モノづくりの基盤を支える派遣を禁止すべきではない。
新谷労働側、99年、ポジティブリスト(業務限定)からネガティブリスト(原則自由化)
になって製造業が入れられた。製造業は、なぜ禁止になっていたかというと、労災が発生しやすいから禁止されていた。分析を資料提供して欲しい。EU指令では、派遣の安全、危険有害業務、放射線物質に関する業務禁止されている。
青木使用者 安全第一、15Pの労災の表は、製造業が多い印象 派遣だから労災多いとは言えない * 派遣労働者の方が労災申請しずらいと思います(伊藤)
~特定派遣業について~
石田労働側 常用という定義ではなく無期だけにして欲しい。特定派遣は、行政監督届け出制ではなく許可制にして欲しい。
(中略)
使用者側は、許可制と、現状維持と意見が割れていた。
阿倍公益委員は、無期にすれば、いいのか不満がある。無期だからいいのではなく優良事業主育てる視点重要
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