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新代表挨拶 & 第八回ACW2定期大会決議内容

新代表挨拶
2014年2月
働く女性の全国センター 代表 栗田隆子

五つのやりたいこと ~新代表に就くにあたり〜

正直、私は落語で言うところの与太郎と若旦那(どちらも男性のキャラクターですが)を足しっぱなしにしたような性格で、体力も残念ながらあまりありません。そのような自分が労働運動に向いている人間だとは、いまだかつて思った事はありませんでした。
シモーヌ・ヴェイユという哲学者を研究し、その後シスターになって場合によっては隠遁生活を・・・と思った事もあり、とても実践で闘うといったタイプではなかったのです。
おまけに、正社員として働いた事がほとんどないので、実務などを会社から教わったこともありません。正社員で営業や会計や、総務といった知識を得てきた人から見れば、「何とも頼りない」人間でしょう。
NPOこそ実務をきちんと知り、経理などの知識を身につけようという動きが昨今あるようにおもいます。私はそれはもっともだと思いつつ、私自身はそれを知ろうともせず、知る機会に遭遇することもなく、今に至ったというていたらくです。
そして何度も公で書いたり、話したりしてはいますが、賃労働をすることは「必要」ではあっても、「自己実現」と思えた事はない・・・そんな人間が、女性労働の運動の一端を担う組織の「代表」となった事実に、何よりおどろいているのはこの私です。リーダーシップなどという言葉を聞くたびに、ハダシで逃げ出したくなるような人間が代表になるなんて、ただただ不思議に思うのは私だけでしょうか。そのような人間が代表という立場となり、ACW2の内部に関わることでやりたいと思う事が5つほど出てきました。それを今回は書きます。

1つ目は、私自身が健康になることです。頑強な身体になりたいとは思いませんが、ぼちぼちと生きられるようになること。私は現在、喘息を抱えていますが、これを悪化させるような運動はできないし、したくない。運動のための人生ではなく、ぼちぼちと生きていくための運動というこの線をまず自分自身において守りたいと思います。また調子がちょっと悪くなったときには、決定的に悪くなる前に、素直に人に助けを乞える人間になりたいとも思ってます。

2つ目は、運動内ワークシェアリングを進める事です。正直に言えばACW2は人手も資金も足りず、その結果出来る人、といいますか、やらざるを得ないと義務感を持った人たちが一手に作業を担う事態でした。それはおそらく他団体でもありがちな事でしょう。しかし運動内においてこそ作業を分担することで、それこそ仕事を抱えたり、多少調子が悪かったり、他にケアする人がいる状況においても、活動を続けられる体制を作りたい。そしてACW2の仕事をマニュアル化し、分担可能な状況に持っていきたいと考えています。

3つ目は、世代の問題です。それこそアルバイトを経験し始める10代後半の人も、就職活動に苦しむ女性の学生も、ACW2に触れる事が出来るような、そんな活動にしていきたいと思います。若年層は仕事が忙しかったり、家庭の事に追われたり、体調が悪かったり等、運動に関わる余裕が持てない人が多いと私は感じています。そもそも社会運動にアクセスするやり方もよくわからない事もあります。そしてなにより運動に関わってはみたものの失望して去っていく若い人にも多く出会いましたし、私自身も運動から離れたほうがいいのではと思った事が正直何度もあります。 また運動をしてきた年長者が、若い人に伝えたいといいながら、サポートするというよりも自分たちが結局はど真ん中に居続けてしまい、
自分たちの思う通りに動かない(若い)人を結果的には排斥してしまっている事態も多く見てきました。世代の問題だけに終始したくはないですが、今起きている現状の問題を把握し、必要な人に必要なものが届く、そして必要があるからこそ支えたいと感じられる、そんな活動がそれこそ「必要」であると思っています。

4つ目は、地方(と呼ばれる場所)の問題です。「働く女性の全国センター」という名前ですが、実際にはやはり東京が中心となって様々な活動が動いている状態にあります。2つ目の仕事の分担という話とつながりますが、東京の事務局での仕事を割り振っていき、地方でやれることをふやしていきたいと思います。私自身は大阪に住んでいるので、大阪、近畿圏の方々ともっと交流を持とうと考えています。

そして最後の5つ目ですが、このACW2をつぶさないことです。与太郎、そして若旦那的な気質と書けば、それこそ「身代つぶす」という言葉をまず思い出しました。とにかく場がなくなるというのは怖いもので、しかもいったん壊れたものは復活させるというのは困難なことです。そしてこのACW2に存在意義を感じる身としては、昨今の安倍政権の状況や、企業の暴走の中で、たとえ小さな動きとなったとしてもつぶしたくありません。これら5つがまず、私自身が代表を務めるうえで、皆様に文字通り力を借りつつ、ともにやっていきたいと望んでいる事です。そして、今大会でACW2が掲げた長期ビジョン・中期ビジョン、そして今年やろうとしていることを、丁寧に、地道に取り組んでいきたいとおもいます。 皆様 なにとぞよろしくお願い申し上げます。

第八回ACW2定期大会決議内容
下記、2月23日(日)14:00〜16:00に行われた 第八回ACW2定期大会で決議された内容です。

●2013年経過報告
http://files.acw2.org/2013keikahoukoku.docx
●会計報告 決算 予算
http://files.acw2.org/2013kaikei2014yosan.xls
●2014年計画
http://files.acw2.org/2014keikaku.doc
●2014年役員
http://files.acw2.org/2014yakuin.doc

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