記事

派遣法の3度目の改悪浮上:ポイントは違法派遣を免罪する法律案になっている

そもそも、廃案になったものを、厚生労働省の労働政策審議会を通さないで閣議決定で国会に提出することは許されない暴挙です。(労働法は、労働側代表、使用者側代表、公益側代表の3者構成の厚生労働省 労働政策審議会でまず審議をされて合意が作られてから法案要綱が作られて国会に提出されます。そのあとに、衆議院厚生労働委員会で審議可決され衆議員本会議で審議可決それから、同じように参議院厚生労働委員会、参議院本会議と審議されて可決され始めて法律が公布される仕組みです。閣議決定は、三書構成になっていないところでの決定で問題です)

違法派遣があった場合、派遣先に直接雇用とみなす」という違法派遣を防止する法律は、今年の10月に施行予定となっていました。その違法派遣の多くは、現行の専門26業務以外の仕事をさせているのに、26業務の仕事をさせていると偽るものでした。しかし今回の派遣法「改正」案は、そもそも派遣が許されているのは専門26業務のみ、という現行の規制そのものを撤廃するものなのです。この「改正」案が通ってしまえば違法派遣防止のためのこの法律箇所は、まったく意味がなくなってしまいます。しかも今回のこの派遣法「改正」案は9月に施行予定となっているのです。つまり、政府の意図は、現行の専門26業務派遣(女性が多い)の違法派遣を免罪する法律案であると断じざるを得ません」

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++

JILPTから

●労働者派遣法改正案を閣議決定 政府は2015年3月13日の閣議で、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労 働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案」を決定した。2012 年改正時の附帯決議等を踏まえ、派遣労働者の一層の雇用の安定、保護等 を図るため、全ての労働者派遣事業を許可制とするとともに、派遣労働者 の正社員化を含むキャリアアップ、雇用継続を推進し、派遣先の事業所等 ごとの派遣期間制限を設ける等の措置を講ずる。 http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2015/kakugi2015031301.html

第189回国会(常会)提出法律案/厚労省 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/189.html

▽事務局長談話/連合 http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2015/20150313_1426231148.html

▽代表幹事コメント/経済同友会 http://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/comment/2014/150313a.html

コメントは停止中です。