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オルタナティブな組織化戦略のための国際会議 in 韓国 参加報告

オルタナティブな組織化戦略のための国際会議 in 韓国 参加報告

NO 1
伊藤みどり
下記の日程で、韓国女性労働組合と韓国働く女性のアカデミー(「誰でも学べる女性労働組合・韓国編」に組織の詳細)主催の会議に日本からは、CAWネット ジャパンの広木さん、ペイ・エクイティ・コンサルティングオフイスの屋嘉比さん(元京ガス男女賃金差別裁判原告)首都圏青年ユニオンの山田さんと共に招待 され参加してきました。

写真 http://files.acw2.org/KW.doc

<全体のプログラム>
2009年9月11日 夜 自己紹介
14カ国(韓国・日本・香港・中国・カンボジア・タイ・ラオス・インドネシア・ベトナム・ニカラグア・メキシコ・オーストラリア・南アフリカ・ベルギー  各国通訳も含み)
9月12日  午前 観光 昌徳宮 インサドン
午後 韓国女性労組(KWTU)10周年ラリー
9月13日  午前10時から KWTUから歓迎のあいさつ
10:30~11:30 自己紹介
11:30~12:30
ケーススタディ 1 学校で働く非正規女性労働者の組織化
12:30~2:00 昼食
2:00~3:00
ケーススタディ 2 日本における青年非正規労働者の組織化の動き
3:15~4:30  議論
4:30~6:00  全体の議論
6;00~7:30 夕食
7;30~8:30 同一価値労働同一賃金についての京ガスの戦い
9月14日  9:00~9:10 前日の振り返り
9:10~10:30
ケーススタディ 3 南アフリカの農村女性の組織化について
10:45~11:45
ケーススタディ 4
女性労働者のエンパワーメント-香港における契約清掃労働者の組織化
12:00~1:30 昼食
1:30~2:50
ケーススタディ 5
ニカラグアにおける フェミニストと女性労働者運動の構築
2:50~4:30 グループ討論  3グループ
4:30~6:00 全体討論
6:00~7:00 夕食
7:00~10:00 カルチャーナイト 文化の夕べ
9月15日  9:00~9:15 前日の振り返り
9:15~10:15 ケーススタディ 6 韓国の地域通貨の実践
10:15~10:45 休憩
10:45~11:15 ワークショップ 挑戦したことと評価
11:15~12:00 各国による地域にコンテンツ
12:00~1:30 昼食
1:30~3:30 グループ討論
3:00~4:30 全体討論
4:30~5:00 全体の振り返り 評価
9月16日 帰国

ケーススタディ 1 学校で働く非正規女性労働者の組織化

リーダーシップ教育・グループ活動の方法から学ぶ
KWTU(韓国女性労働組合)は,1999年8月30日に結成、現在6000人の組織です。
その中で、きょんなん支部は1000人の組織化に成功しました。学校の非正規雇用労働者を組織化するために、まず組合の中央事務局で調査して学校の非正規 労働者の実態について把握しました。
アンケートを女性労働組合の名刺と共に送って、徐々に問い合わせが増えてきました。
きっかけは、2002年に一人の学校の実験助手の相談を受け、その人を中心に組織化を開始したことです。2003年に支部組織結成。その後、組合活動に関 するトレーニングと教育を行い、口コミでどんどん広げていった。この支部は、14人のメンバーから始まって170人になった。女性労働組合のリーダーを もっとも多く出したケースである。事例を小冊子にまとめた。その後、一人の調理師学校の非正規の調理師が不当解雇されたが韓国労総(KCFTU)は、何も してくれなかった。
非正規の学校調理師もグループ活動を経てKWTUに参加した。
きょんなん支部の組合員のコミュニケーションの方法は、学校の中では少数で1人ひとりとコンタクトをとるのが難しかった。そこで、インターネットフォーラ ムの中に、ユニットをいくつもつくって、責任者を決めて、そのメンバーがリーダーになって各ユニットごとに月1回会議を開く。下からグループを決めて役割 も決めていったが最初はうまく機能できなかったので、KWTUの本部からリーダーシップトレーニングを受けてトレーニングを受けた人が、きょんなん支部に 来て潜在的にリーダーの可能性のある人を集めて育てて、育てた人が、次の人を育成するやり方で組織化した。キョンナン支部独自ではできなかったがKWTU でリーダーを育成した。
現場でのリーダー育成は、専従(フルタイム)と組合活動に参加している人からリーダーを育成した。KWTUの組織化原則は、 「本部のリーダーは、支部のリーダーが自分たちでできることを、先回りして代行してはならない」としている。毎年10月 各ユニットのリーダーと次のリー ダー候補が集まって、希望や期待、家族や将来のビジョンまで語り合う会を行う。
各ユニットのリーダーが、中核になることを理解すれば、本部が必要なお金を出す。リーダーの人間性が重要である。キョンナン支部は、これまで組織化できな いといわれていた人たちを組織化できたのは、現場のリーダーたちが民主的なコミュニケーションができたからだ。リーダーが抱え込まないでやって組織化に成 功した。現在3人の専従を、専従でないリーダーが補って運営をしている。現在のキョンナン支部の課題は、学校の非正規の未知の職業とコンタクトをとって組 織化する。社会全体に有益な活動をする。政治的な力を持つことである。
リーダーシップ教育は、初級は団交スキルトレーニング、プレゼンテーション、文書作成、会議の仕方(アイスブレイク・手順・どのように参加 させるか)中級・上級、労働運動史、労働法などで経験者から経験者へ伝えていく。組織の構造は、800校にメンバーが1人から2人で、小グループ→小ユ ニット→ユニット→支部 レベルごとにインターネットフォーラムが組織されている。
組織化のポイントとして(1)一部のことでも全国レベルのことにして把握(1)どんな小さなことでも小さな組合でも成功させるために闘う (1)個人の問題、1職場の問題を組織としての問題にして、その職種全体の問題にして把握して活動する(1)少数のリーダーが担うものではなく、すべての 組合員と合意を形成して参加していく。日本の女性労働運動も、韓国の経験からたくさん学べるのではないでしょうか?。(続き)

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