ACW2 No.24、ありがとうございました。
栗田さんの「議論のタネをまく」、大変興味深く、読みました。
“女子力ではなく稼ぐ力を身につけよ”って、でも稼ぐ力を身につけたとしても暮らしていけないというのが問題ですよね。
少なくない女子学生が専業主婦志向です。どうしてそうなのか、まだわからないところが多々あるのですが、ひとつはたとえがんばって稼ぐ力をつけても女は自分の稼ぎでは自活できない事に対する絶望なのかと思ったりもしました。
それから田中かず子さんの「思考のくせ」も考えさせられました。男を100として私も考えていましたから。
そして、宇山川柳には胸を衝かれました。
ではでは、暑い夏、ご自愛を。 (三山雅子)
ACW2ニュースに掲載された栗田隆子さんの記事を、驚きと共感を持って拝読しました。
「驚き」は、上野千鶴子氏のインタビューに関してです。
記事を拝読して改めて上野氏のインタビュー全文を確認したのですが、やはり愕然とし、残念というより悲しみに近い感情がわいてきました。 上野氏は前半で「マミートラック」について批判しつつ、中盤以降では年収300万円同士で結婚すればいい、と発言しておられます。マミートラックは高収入の女性のみに存在する罠なのか? 様々なライフステージの変化や社会情勢の変転の中で、男女を問わず300万円の収入を維持することや、その収入の中で「まったり暮らす」はそんなにたやすいことなのか? 結局は「女子力」に「稼げる」というオプションをつけろということなのか? 多くの女性たちの抱える様々な問題、それが社会的なものであることを明確に言語化し、女性はもちろん、男性、性別や立場を超えて多くの人々に勇気と元気と気づきをもたらした上野氏の発言だけに、これには大きな衝撃を受け、記事中で栗田さんが言及しておられる「問題関心があるだけでは、分断を乗り越えるということには全くもって遠い」ということに心から共感し、栗田さんと一緒に頭を抱えてしまった次第です。
わたしたちは分断を乗り越えようと一生懸命になるあまり、何を選択するべきか、どうあるべきかなどと決めつけてしまったり、他の選択を否定したりしてしまうかもしれないし、してきたこともあったでしょう。少ない選択肢の決定を巡って紛糾するより、新たな選択肢や、選択することの自由さをもっと求めていきたいと思います。そしてその選択がしっくりこなかったときに、少し後戻りしてもういちど選択しなおすことができる余裕ある社会を求めたい。フェミニズムは、こういった選択の幅と自由さをまずもって求めていたのではないかと考えます。少なくとも、わたしが自分のものとするフェミニズムには、まず何をおいても「選択の自己決定権と、それを後押しできる社会作り」を掲げていたいと思いました。
この思いに気づかされた栗田さんの記事に心からの共感と感謝を。 笠井弘子 (京都市在住 貧乏人)
ウーン。人生の生きなおしを考えた時に、10年遅れで同年代である上野さんの著書の追っかけをした私ですが、「ちょっとちょっと上野さん、それは違うやろ」というのが今回の栗田さんの記事を読んでの感想です。「女子力を磨くより、稼ぐ力を身に付けなさい!」、言いたいことに異存はありません。でもね、300万円。時給1,300円のパートで働いていて、年収が300万円を超えた年がありました。一瞬、「えっ!300万円超えた」と思ってしまった私がいたのですが、連日22:00まで残業して過労死コースを歩んだ結果の300万円でした。 「賃金が上がらない…幸せでしょう?」上野さんに「幸せ」かどうか、決めてほしくないですよ。お金がなくてできないことはたくさんあるし、高等遊民は誰にでもできることではないですしね。
80年代、まだまだ未来を信じられた時代に、まだ何者でもなかった上野さんが、男社会という池に様々な石を投げて波紋を起こしたやり方は有効であったことでしょう。でも、社会的には権威になったあなたが、先の見えない今を生きる当事者たちに語りかける言葉としては不適切であったと思います。それとも、ほんとにそう思っておられるのだったらファンとしてはとっても残念です。 最後に、あくまでも栗田さんの文章を読んでの感想です。原文全文を読んでないので、上野さんの真意を取り違えていたらごめんなさい。 (赤羽佳世子)
簡単に年収300万円は稼げない!!
(栗田さん記事で取り上げられた)上野千鶴子さんのインタビュー記事を読んで、前半の安倍政権の女性活用や働く女性の置かれた立場の現状分析については納得できた。しかし、後半で年収300万円は誰でも稼げるような上野さんの認識には、「怒髪天」というのが私の心境であった。 私はハローワーク(福岡)で職業紹介の仕事をしているが、年収300万円稼げる求人は少ないというのが日頃の実感だからである。
最近、80倍の倍率を突破して就職した20代半ばの女性の営業事務の初任給が17万円、ボーナスが4ヶ月(ボーナスが4ヶ月もある求人はハローワークにはほとんどない)でやっと300万円に届くかどうかである。80倍の倍率に見られるように、求職者にとって「いい求人」が年収300万円ということである。
先日、40代初めの女性の求人を一緒に探していたが、初任給は15~6万円がいいところで、仮にボーナスがあっても年収200万円をやっと超えるか超えないかである。この女性は、前職では税込みで300万円近く稼いでいたようだが、夜の10時頃まで残業をすることが多かったと言われていた。女性が年収300万円稼ぐためには、12時間労働を覚悟しなければならない。退職してくる女性正社員の多くが長時間労働で働き続けられないと言っているのが現実である。 この現状を知るために、まずは上野さんにハローワークで求人を見たり、「普通に働く女性たち」の現実の声を聞いて、働く女性の現状を知って欲しいと願っている。 (佐崎和子)
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